国民年金は、20歳から60歳になるまでの間、強制加入です。このうち、共済組合の組合員に扶養されている配偶者(被扶養配偶者)は、国民年金第3号被保険者となります。
第3号被保険者としての期間は老齢基礎年金を受けるための必要期間に算入されるため、手続きを忘れると、将来受給する老齢基礎年金の額が減る恐れがあります。
扶養の手続きのときは忘れずに第3号被保険者の該当届をを所属所(勤務先)を経由して共済組合まで提出してください。
第1号被保険者 | 下記の第2号被保険者、第3号被保険者以外の加入者 (直接保険料を納めなければならない加入者) |
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第2号被保険者 | 共済組合の組合員や厚生年金の被保険者 (公務員、民間サラリーマン) |
第3号被保険者 | 第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の人 (直接保険料を納める必要のない加入者) |
※ | 昭和61年3月までは、公務員等、被用者の配偶者は国民年金への加入は任意でした。 第3号被保険者の制度は、昭和61年4月から始まった制度です。 |
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第3号被保険者としての届出をする者は、以下の4点を満たす必要があります。
① | 第2号被保険者の配偶者であること注1 |
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② | 主として第2号被保険者の収入により生計を維持されていること |
③ | 第2号被保険者でないこと(厚生年金、共済年金に加入していないこと) |
④ | 20歳以上60歳未満であること |
注1 | 事実上の配偶者(いわゆる内縁関係にある者)も含みます。 |
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国民年金第3号被保険者は、加入は強制でありながら、国民年金保険料を自分で負担する必要はありません。第3号被保険者の保険料は、共済組合が国民年金制度へ基礎年金拠出金としてまとめて払い込んでいます。すなわち、組合員全体で第3号被保険者の保険料を負担していることとなります。
なお、組合員の共済年金の掛金は、その扶養する第3号被保険者の国民年金保険料を上乗せして納めているわけではなく、被扶養配偶者の有無にかかわらずその組合員の給与によって決定されています。
第3号被保険者に該当したときは、その事実のあった日から14日以内に届け出る必要があります。届出は共済組合を経由して行います。届出の流れを示したのが、下の図です。
健康保険の被扶養者の認定とは異なり、国民年金第3号被保険者の届出は、届出が遅れた場合でも、原則として事実発生日に遡って3号該当が認定されます注2。
ただし、届出が遅れて、2年以上遡った認定を届出る場合は、原則として届出月から2年を越える期間は、国民年金保険料未納期間(いわゆる3号未納期間)として、老齢基礎年金の基礎とはならなくなるため、注意が必要です注3。
(注2) | 被扶養の事実を明らかとできなかったときは、明らかとすることのできる時点からの3号該当となる場合もあります。 |
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(注3) | 平成17年3月31日までの期間にかかる3号未納期間については、特例措置として保険料納付済期間となります。 |
平成17年4月1日以後の期間にかかる3号未納期間(実際は平成19年4月1日以後に問題となります。)については、届出が遅れたことについて、「やむを得ない事情」があると認められたときのみ、保険料納付済期間となります。 |
以下のような場合は、健康保険の被扶養者の認定手続きと併せ、所属所(勤務先)を通じて「国民年金第3号被保険者関係届」の提出が必要です。
① | 婚姻、または退職等の理由により配偶者を扶養することになった |
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② | 配偶者の所得が減少(雇用保険の受給期間満了、雇用形態の変更等)し、被扶養者となれる要件を満たした |
③ | 他都市の職員または民間サラリーマン等で共済年金または厚生年金に加入していた者で、第3号被保険者たる配偶者を扶養していた者が、退職日の翌日に名古屋市または名古屋港管理組合に就職した |
健康保険の被扶養認定日と3号該当年月日(事実発生日)とが異なるときのみ、各種の書類(3号該当年月日のわかる書類、扶養の事実のわかる書類等)の添付が必要となります。
なお、年金手帳は、共済組合および日本年金機構に対しては、原則として提出不要です。
この場合は、被扶養配偶者が20歳になったときに3号該当の届出をすることとなります。
この場合は、届書を提出する必要はありません。
第3号被保険者の要件を満たしていれば、第3号被保険者に該当しますので、該当の届出をしてください。なお、提出の際には、任意継続被保険者(組合員)の資格を持っていることを申し出てください。
日額3,612円(月額108,334円)以上の失業給付、出産手当金、傷病手当金を受給している間は、原則として第3号被保険者とはなりませんのでご注意ください。
以下のような場合は、健康保険の被扶養者の取消手続きと併せ、所属所を通じて「国民年金第3号被保険者関係届」の提出が必要です。
① | 離婚または別居等により配偶者を扶養しなくなった |
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② | 配偶者の収入増により被扶養者となれる要件を満たさなくなった |
配偶者が60歳に達するまでは国民年金に加入することになりますので、住所地の市区町村の国民年金担当課にて第3号被保険者から第1号被保険者への切り替えの手続きをする必要があります。ただし、被扶養配偶者が就職して厚生年金や共済年金に加入した場合(3号⇒2号)を除きます。
日本年金機構で地方公共団体情報システムから定期的に異動情報を取得し更新するため、届出は原則不要です。
配偶者が第3号被保険者に該当したときはその都度届出が必要です。届出を怠ると、将来年金が受けられなくなることがあります。
3号該当の届出漏れは、次の場合に発生しやすいのでご注意ください。
① | パート勤め等で厚生年金加入後、退職したときに3号該当の要件を満たしている場合 |
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② | 組合員が転職したときに、3号該当の要件を満たしている場合 |
国民年金の加入歴の確認は、居住地を管轄する年金事務所にお問い合わせください。